大学受験の社会で選択する科目と参考書のいろは

大学受験の社会で選択する科目と参考書のいろは

大学受験では、単に社会といっても多くの科目があります。例えばセンター試験には、地歴分野で「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」、公民分野で「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理、政治・経済」と合計で10科目が用意されています。志望校の募集要件に適するなかで、どの科目を選択すると一番効率よく点数を獲得することができるのか、悩む人も多いことでしょう。

そこで今回は、大学受験の社会における選択科目の選び方や、学習計画の立て方、取りかかるべき順番について紹介します。また、内容に興味をもって楽しく学習を進められることも大切ですので、学習を手助けする参考書の選び方についても触れていきます。

日本史・世界史・地理は「科目を好きになれるか」がカギ

まずは選択する人が多い、世界史・日本史・地理の分野から紹介しましょう。一部の理系学部などを除き、多くの大学ではこの地歴科目を少なくとも1つ選択することが求められます。地歴は高校の学習分野のなかでも後回しにされやすい科目ですが、積み重ねの必要な国語・数学・英語などと異なり、比較的簡単に成績を上げることが可能です。ただし、そこには「科目を好きになれるか」が大きく関わります。各科目の特徴をおさらいしてみましょう。

1.   日本史

扱う範囲が日本国内とそこに影響を及ぼす東アジア諸国に限られるため、理解をしやすいのが特徴です。小・中学校の歴史では日本史の内容が中心となるため、馴染みがあって入りやすいという意見もあります。

一方で、日本史を苦手とする人も一定数存在します。彼らの挙げる理由のうち、比較的多い意見が「覚えるべき漢字が多い」というものです。常用漢字を逸脱した漢字が多く出現しますし、漢字ばかり6つも7つも連なった用語が出てくることも。日本史分野に関しては、漫画ふうの参考書も多く出版されています。勉強の休憩がてら、このような書籍を手にとって、楽しみながら知識を習得することもひとつの手です。

2.   世界史

世界の離れた地域で起こる出来事が、距離や時間を超えて複雑に絡み合う様子を俯瞰できるのが面白い、という意見が多くあります。現在、自分の生きる世界がどのようにしてできてきたのかを理解しておくことは、現代のニュースを理解するうえでも必要でしょう。

難しさという点でいえば、カタカナ用語を覚えることを苦手とする人は、学習がつらくなることもあるようです。また世界史では、「同時期にほかの地域では何が起きていたか」をひんぱんに問われます。日本史であれば時間軸のみで把握すればよいのですが、世界史は時間軸に世界地図を掛け合わせて状況を把握しなければなりません。「世界史B講義の実況中継」などのように、読み物として楽しみながら歴史の流れをつかむことのできる参考書を使うと、時代把握がぐっとしやすくなります。

3.   地理

理系学部志望のような、センター試験のみで社会が求められる場合に人気なのが地理です。なんといっても歴史科目に比べて暗記する事項が少なくてすむため、社会以外の科目に時間を割きたい人にとっては魅力的といえるでしょう。しかし、懸念点として高得点が取りにくいことが挙げられます。これは、教科書に書かれている範囲内では確実な正誤のある歴史科目とは異なり、地理は新出の地図やグラフを使用して問題を解きますから、どうしても「確実にこれが答えだ」と胸を張っていえる問題が少なくなるからです。

地理についても、自分が興味をもてるような題材を取り扱った参考書を探してみると、勉強しやすいでしょう。地理で扱う題材は、車の生産台数からコメの消費量までさまざまですから、きっと楽しく学習できるような参考書が見つかるはずです。

学校の授業では間に合わないとき、計画をどう立てるか

さて、社会科目の学習でよく聞かれる悩みが「学校の授業が追いつかない」というものです。特別な私立の進学校などを除くと、多くの高校では社会の授業は3年生の後半まで続きます。歴史を勉強する人ならば、高校3年生の夏に二次試験の論述試験が気になっても、学校ではまだ江戸時代のことをやっている、なんてことも。

独学をするにしても学習計画をどのように立てればよいのか、そもそも独学とはどのような順番で学習を進めていくべきか、悩む人も多いでしょう。

自分が興味をもてる方法で学習に取り組もう

まずいえるのは、二次試験がどんな形式であれ、センター形式の問題に慣れることは基本知識の習得にとても役立つ、ということです。学校の授業が追いついていない状態でも、まずはセンター形式の問題を解いてみましょう。基本的にセンター試験の歴史科目は、教科書と補助教材などがあればすべて答えられるようになっていますから、未習でわからなかった問題があれば、教科書で調べてみてください。それを繰り返すことで、基礎知識も身についてくるはずです。さまざまな出版社から出されている図説を見るのもおすすめです。教科書以上に詳しい情報が詰め込まれており、背景を理解しながら学習を進めることができるはずです。

社会科目に限定していえば、二次試験の学習はセンター試験終了後で十分に間に合います。日本の大学で唯一、二次試験で社会が二科目課される東大文系の受験者であっても、多くは二次試験対策をセンター試験後に始めます。ただし、二次試験である程度の成績を残すためには、センター形式などで基礎知識が十分に身についていることが必要です。どんなに早くから記述形式の対策を始めていても、基礎が身についていなければ得点にはつながりません。

学習の順番としては、知識の習得→論述の練習です。いくら早くから論述練習に取りかかろうとも、そこで使える材料がなければ全く役に立たない、ということです。この「知識の習得」になかなかやる気が出ない、という人は書店で歴史を扱った漫画や、小説風に紹介している参考書をのぞいてみてください。きっと自分が興味をもてる内容が見つかるはずです。

センター試験における「2単位科目」の概要と意外な罠

最後に、2単位科目について紹介します。センター試験でしか社会科目が求められない大学を志望する場合は、公民を選択する人も多いでしょう。確かに、公民は歴史科目と比べて暗記内容も少なく、取りかかりやすい科目です。

また、倫理科目は範囲が比較的狭く、多様な問題を作りにくいという事情があります。そのため、過去問演習が有効です。センター形式の問題集を解いてみたり、ポケットサイズの一問一答テキストを電車で眺めたりすると、効率よく勉強を進められるでしょう。

ただし、公民を選択する際には「2単位科目」と「4単位科目」の違いに注意してください。高校の取得単位数の表を眺めてみると、公民のなかでも取得できる単位数が科目によって異なることがわかります。大学の募集要件において、「2単位科目では出願ができない」とする大学・学部は比較的多いです。例えば「倫理」「政治・経済」は2単位科目ですが、「倫理、政治・経済」は4単位科目とされています。出願の際には十分に気をつけるようにしましょう。

参考:

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